SESの引き抜きをおススメしない理由とは?【客先企業の視点】

SES引き抜き

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もず
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SESで働いていて、客先の会社から引き抜きの話が出て、迷っている方におススメの記事です!

結論:SESで常駐先の企業から正社員採用の声がかかっても、冷静に検討しよう

SES企業の社員として客先常駐をしており、客先から正社員として「うちに来ないか?」と誘われる方はいらっしゃるのではないでしょうか?

もず
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いわゆる引き抜きですね。

引き抜きの声を掛けられた、ということは、客先での働きぶりが評価されたということです。

また、技術力だけではなく、コミュニケーション能力の有無など人間性も評価されないと、正社員採用の声はかかりません。

素直に喜んでよいことですが、本当に客先企業に入社してよいかどうかは、慎重に判断すべきです。

当サイトとしては、引き抜きの話に応じることは、残念ながらあまりオススメすることはできません。その理由を説明していきます。

それでは見ていきましょう!

SESとは?

SESとは「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略称です。SESの契約は労働法上などでは、「業務請負」の一種とみなされます。

もず
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SESが請負契約ということを知らない人が、意外に多い印象です。

請負契約と派遣契約は、指揮命令系統に決定的な違いがあります。

請負契約派遣契約
指揮命令系統発注先企業(SES企業)発注元企業(客先企業)

上の表にあるとおり、労務管理や指揮命令系統などが、発注元(客先)企業から独立している必要があり、その点が発注元企業による指揮命令の下で業務を行う「派遣契約」との大きな違いです。

また、賃金に関しても違いがあり、SESでは「技術者の労働力」に対して支払われます。システムの完成は支払い要件には含まれなません。

引き抜きでSESから転職するのはなぜオススメできない?

客先企業の調整負荷が高い

SESからの引き抜きは、以前はよくあることだったのですが、ここ数年はあまり聞かなくなりました。

もず
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私自身も、SESから来ていた方がとても優秀だったので、引き抜きを検討したことがありましたが、結局諦めました。

まず、基本的にSES企業の社員を客先企業が引き抜くことは、業界で暗黙のタブーとされています。

昨今はコンプライアンスにも敏感になっていますので、露骨な行為は避けられる傾向にあるのですね。

ただ、当然ですが職業選択の自由がありますので、客先企業へSES社員が転職することが禁止されているわけではありません。

とはいえ、SES社員と客先企業との間だけですんなり進む話でもありません。

まず、発注元と発注先企業との間で取り交わされた請負契約書に、関連する項目が記載されていないか、確認する必要があります。

もず
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常駐する社員を引き抜くことを禁止するような項目がないかどうかの確認です。

確認作業自体は、SES社員を引き抜こうとする部門だけで実施してはならず、法務部門に問題がないかどうか、チェックして貰う必要があります。

また、SES企業との関係が悪化した場合の状況に対して、きちんと想定及び対策をしておく必要があります。

自社の社員が引き抜かれたことがSES企業にバレてしまった場合、仮に請負契約書で制限がかかっていなかっとしても、今後の取引に支障が出るかもしれません。

最悪、今後新しい社員をアサインしてもらえなくなる可能性もあります。

そのような事態が、客先企業にとってどの程度のインパクトがあるのか、事前に検討しておく必要があるでしょう。

これらの理由で、引き抜く側の会社では、ひとりのSES社員を引き抜くのに、思った以上の労力がかかる可能性があります。

客先の内情はわからない

SES社員にとっては、数年近く客先で勤務しており、自社のSES企業より客先企業に慣れていることでしょう。

ただ、言えるのはあくまでSES社員として、客先企業を見ているのであって、正社員として勤務しているわけではない、ということです。

もず
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常駐している際は、特定の業務に専念できているかもしれませんが、正社員になると、会社の文化によっては、本来の業務以外のことも実施する必要が出てくるかもしれません。参加するだけで情報共有のみがダラダラと述べられる定例会議が、週に何度も行われることも十分あり得ます。

また、企業規模がある程度の会社では、SES社員のときとは、全く別部署で勤務する可能性もあり得ます。

「部署による」、という言葉はよく言ったもので、数百名規模の企業だと、部署によって仕事の進め方や雰囲気が全く異なる場合があります。

客先企業の印象が良くて転職しても、別部署で大きなギャップを感じるかもしれません。

引き抜きと言っても特別扱いはされない

引き抜きは誰にでも行われるわけではなく、やはり優秀な方に声がかかるのが常です。

そのため、引き抜きされたからには、それなりの高待遇が用意されている、と思いがちですが、全てに当てはまるわけではありません。

引き抜きという言葉が独り歩きして、特別扱いしてもらえるのではと勘違いしそうになりますが、他の社員と同様に扱われます。

もちろん、SESの時と比べると、年収は大幅に上がっているのかもしれませんが、客先企業の給与ベースで提示されているに過ぎません。

通常の転職活動をしよう

はっきり言えることは、引き抜きで入社する、というのは例外的ケースです。

そのため、引き抜く側の会社もそれなりの労力がかかっています。

また、引き抜かれる側の社員も、先程述べたようにギャップを感じするケースは少なくアリません。

結果的に、イレギュラーな方法で入社すると、自分も会社に対して、会社も本人に対して、ハードルを上げてしまうことになります。

ただ、引き抜かれということは、優秀ということであり、その仕事ぶりを評価された、というのは間違いありません。

ということは、通常のルートから転職活動を行っても、特に問題なく優良企業へ転職できる状態であるということです。

通常のルートは、いわゆる転職エージェントから求人紹介されて転職をする、ということです。

採用する企業からすると、転職エージェントに手数料を払う必要があるのですが、結局採用にかかる労力を大幅に軽減できているので、楽なのですね。

手間を掛けて入社してもらうのではなく、フラットな状態で入社てもらうほうが、企業からすると、総合的なメリットは大きいです。

「引き抜きの話が出た、ということは、転職してキャリアアップするチャンス」と捉えて、堂々と転職活動を始めてみるのもいいと思います。

まとめ

最後にまとめです。

  • SESで客先から引き抜きの話が出ても、冷静に判断しよう
  • 客先企業では、SESを社員として迎えるに当たり、それなりの労力がかかる
  • 客先企業の内情や細かい点は、正社員になって初めて見えてくることもある
  • SES企業から転職することで年収が上がるかもしれないが、客先企業のベースで提示されている。決して特別扱いということではない
  • 引き抜きの話が出るということは、転職するとキャリアアップするチャンスがあるということ
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