昇格試験への心構えとは?【落ちてモチベーションが低下した人にも】

昇格試験の心構え

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もず
もず

昇格試験をこれから受けようとしている方、昇格試験に落ちてモチベーションが下がってしまった方におススメの記事です!

結論:昇格試験は会社の思惑が大きく働いている。本人の努力ではどうしようもない部分もある。

上司から「管理職に推薦したので、昇格試験を受けるように。」と言われ、昇格試験に臨む方にとって、最も不安に感じる点は、

昇格試験に向けて万全の対策を行ったが、不合格だった
明らかに自分より仕事ができない人が合格し、自分は不合格
というブログやSNSのコメントを目にしたときではないでしょうか?

不安になる理由をまとめると、「昇格試験になぜ落ちたのか分からない…」という内容であるため、「自分が昇格試験を受ける際も同じ状況になるのではないか?」と感じるためです。

私自身の経歴では、これまで勤務してきた会社の中で一社のみ、上の役職に就く際に昇格試験を設けている会社がありました。

そして私自身も、管理職になるために昇格試験を受けた経験があります。

もず
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結果は、無事一発で管理職へ昇格を果たしました。ただし、後述しますが、

この合格には裏があったのです。

一方で、昇格試験に残念ながら落ちてしまった同僚を何名も見てきました。しかも一度だけでなく、翌年も不合格になるようなケースもありました。

ただ、彼ら同僚と私自身の仕事ぶりを比べても、特段大きな差はないと感じていました。多くの方が「なぜ自分が不合格になったのか分からない」というのは、本当のことと思います。

私は部長職や役員の経験がありませんので、昇格試験の面接官や採点者などのような、がっつりと昇格を伴う人事業務を行ったことはありません。

そのため、昇格試験があった会社から転職後、元同僚や上司と話す機会があり、そこで当時のいきさつを知りました。

そこから、昇格試験における実情と呼べるものがわかってきました。どのような内容か、説明していきます。

それでは見ていきましょう!

昇格試験の実情とは?

まず、昇格試験は、主に以下のような構成で行われます。

  • 上司からの推薦
  • 小論文(あらかじめテーマが与えられ、決められた文字数で作成する)
  • 面接(主に複数の役員が面接官となって、30分~1時間程度行われる)

昇格試験を受けようと思っている方は、試験内容が公平に評価され、その結果合格・不合格が決まると思っているかもしれませんが、実際はそればかりではありません。

昇格人事を握っている側では、主に以下の3パターンで分けられます。

昇格試験受験者の3つの区分

昇格試験前から、すでに合格が決まっている

いわゆる「出来レース」ということになってしまうのですが、昇格試験においてはよくあることです。

昇格試験を受けるためには、まずは直属の上司の推薦が必要になるわけですが、上司からすると最も恐れるのが、仕事ができて期待している社員を推薦したにもかかわらず、昇格試験に落ちてしまい、部下のモチベーションが低下してしまうことです。最悪、退職するケースもあり得ます。

本人のために推薦したのに、逆効果になってしまうわけです。そのため、上司としては「この社員は必ず昇格させてほしい」という根回しが行われることになります。

その場合、上司は昇格人事権をもつ役員・部長に対して、事前に相談することになるわけです。上司から話を持ち掛けなくても、役員側ですでに合格前提で進めている場合もあるかもしれません。

では、どのような社員が「合格前提」となるのでしょうか?

「仕事ができる」「営業成績・売り上げが上位である」など、そもそもの仕事上で結果を出している、というのは当然で、大前提となります。

なお、私のケースでも合格が試験前から決まっていました。役員から面談時に「管理職になってもらうから」と口頭で伝えられていたのです。しかしこのようなケースはレアと思われます。

それプラス、求められるのは「退職されてしまった場合、代わりになる社員がいない人材」ということです。

経験やスキル面でもいえるのですが、どちらかというと「職種」によって発生するパターンのほうが多いようです。

社内だけに限りません。求人を出しても、滅多に応募がない、売り手市場である職種の場合は、昇格試験に落ちて退職されると、会社としては「適切な人材を配置できない」というリスクとなります。

もず
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例えば、社内弁護士や社内社会保険労務士など、難関資格に紐づく職種の場合が当てはまります。私が他の社員の昇格試験結果を見ている限り、このような傾向がありました。

試験結果が余程ひどい場合は別ですが、基本的に問題ないレベルの場合は、まず合格させる可能性が高いです。

本人の資質によるというより、市場価値が高い人は、必然的に昇格試験でも有利になるということです。

他の候補者の中から、優先順位をつけて選ばれる

こちらもよくあるパターンです。また、多くの昇格試験不合格者を泣かせているのも、このパターンと思われます。

昇格試験のある会社で勤務していた頃、管理職への昇格試験の合格率がどの程度あるのか、確認したことがあります。

その結果、「毎年およそ50%程度」だったということです。年によって合格率に差がある、ということはなく、毎年同じような値だったのですね。

もず
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昇格試験を受けた人の半分は、不合格になるという事実です。

※あくまで私が在籍していた会社のケースです。

会社によっては、10%程度の合格率というところもあるようです。

つまり、私が勤務していた会社の場合でいうと、昇格試験に合格できる人数は、あらかじめ決まっているということです。本来であれば、試験に合格している水準の結果を超えていれば、合格になりたいというのが受ける側の偽らざる本音ですが、優先順位によって不合格になる人が出てきます。

ここで厄介なのが、成績上位者から順番に選ばれるわけではない、ということです。あくまで会社が決めた「優先順位」なのですね。

昇格者の枠があらかじめ決まっている中で、昇格人事を握っている人たちが行うのは、やはり「根回し」です。

部門間のバランスを重視し、特定の部門からは何名、別の部門では何名というケースもあるようです。

どのようなケースで優先順位が下げられるか、についてですが、まず「必ず昇格させたい候補者」が最優先されます。そのうえで、AさんとBさんのどちらかしか合格させられない、という場合は、役員同士のパワーバランスで決まることもあります。

何より、「Bさんは今回不合格にして、来年また頑張ってもらおう」というパターンが多いということです。

このとき、どのような心理が働いているかというと

「昇格試験に一度落ちたくらいでは辞めないだろう」という楽観的な考えと、
「もし辞められても、最悪仕方がない」という見切りの考えです。

もず
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厄介なのが、この2つの心理がそれほど深刻には考えられていないということです。
元部長である元上司からお聞きした限りは、そのような印象を受けました。

昇格試験に不合格になったことで、実際転職に踏み切る人は一定数存在します。会社としても、想定済みのことではあるのですが、それでも受験者の一割もいるかどうか、というところです。

会社としては、不合格者には引き続き頑張ってもらいたい、というのは偽りのない考えですが、「不合格になったので辞めます」と言われたら、「残念だけど仕方ないね」ということになります。

フラットに試験の結果で選ばれる

3つ目のパターンが、本来あるべき姿です。根回し関係なく、昇格試験の内容と結果によって、公正に選ばれるというものです。

このパターンが全くないわけではありません。もしかすると社長などの考えで、純粋に試験結果から選ぶ方針の会社もあるかもしれません。ですが、少数だと思われます。

昇格試験の不合格者から不満が出る理由と今後の流れ

昇格試験の不合格者からは、「なぜ落ちたのか分からない」という声がよく聞かれます。

その最大の理由は「直属の上司の評価が、合否の判定に最優先で使われていない」というものです。

基本的に直属の上司は「推薦者」であり、部下を合格・不合格にする権限は公平性の観点から持ち合わせていません。

ただ、候補者が昇格にふさわしいかどうかは、最も間近で見ている直属の上司が、一番わかっているはずです。

原稿用紙数枚の小論文や、1時間程度の面接で、その人が及第点かどうか、決めるのが無理があるというものです。

直属の上司が、合格・不合格の判定に強い意見を出せるのであれば、不合格になっても納得できると思います。

これから転職がもっと当たり前になっていき、人材の流動化が行われやすくなるような社会になっていけば、昇格試験で退職する人はもっと増えていくでしょう。

ジョブ型雇用が中心である欧米では、基本的に昇格試験が行われるケースはほとんどないと聞きます。

例えばマネージャーという職種は、あくまで複数ある職種の中の一つで、会社の中の役割の一つに過ぎないという考えです。そのため、マネージャーのポストが空いたとしたら、希望する人がそのポストに応募します。応募者に対しては面接が行われることになりますが、昇格試験のように、同じ時期に一斉に決めるということはありません。

そのため、マネージャーになりたくない人、どちらかというとプライベート重視の人は、応募しなければ、マネージャーに無理になる必要がありません。

もず
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バリバリ仕事をこなしたい人が応募して、どんどん出世を狙うイメージです。

日本でもジョブ型雇用を採用する会社が増えています。また、会社にとっては、昇格試験で退職者が続出することは大きなリスクになっていく可能性がありますので、昇格試験制度そのものは、徐々になくなっていくものと思われます。

昇格試験に対しての目安を決めておこう

これまで述べてきたように、昇格試験には残念ながら会社の思惑が大きく働きます。

つまり、本人の努力ではどうしようもない部分があるのです。

昇格試験に対して努力することはムダとは言いませんが、あまりこだわり過ぎるとメンタル面に影響が出てきますので、注意が必要です。

一つの提案ですが、「昇格試験には〇〇回までチャレンジしよう」あるいは「何歳までに昇格しなかったら転職しよう」等と、昇格試験に対して、一定の目安を自分の中で決めておくことです。

私の知り合いでも、そのような考えを持つ人がいます。仮にその人をAさんとしますと、

Aさんの勤務する会社の上司は、なかなかAさんを昇格試験に推薦してくれなかったそうです。7、8年働いて、ようやく推薦を受けました。

このとき、Aさんは「40歳までに管理職にならなかったら、転職しよう」と期限を自分の中で設けていました。

結果は不合格。Aさんは退職を決意し、上司には「昇格試験に落ちたら転職しようと決めていました」と話しました。

すると上司は「来年になったら昇格させようと思っていたのに」と言い訳がましく本音を漏らしたそうです。

Aさんは転職先で管理職候補として入社し、管理職ではないものの役職に就き、日々頑張っていると聞きました。

もず
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もしかすると会社に残ったほうが早く管理職になれたのかもしれません。

ただAさんは会社の思惑に振り回されず、しっかり評価される会社を選んだのですね。

昇格試験に落ちて、悩み、自分に何が足りなかったのか、考えることは自身の成長につながるかもしれません。

一方で、誰のものでもない自分の人生です。日本に何百万とある会社の中で、たった一つの会社の昇格試験に落ちたことで、その人の人生が決まるわけではありません。

無理なら無理で、次のステップに進む、というのは逃げではなく戦略です。

まとめ

最後にまとめです。

  • 昇格試験は会社の思惑が大きく働ている
  • 試験前から合格者が決まっている
  • 試験結果関係なく、他の候補者の中から優先順位で選ばれる
  • 優先順位は、部門間の人員配置のバランスなどで決められる
  • 公平に試験結果だけで合否が決まるケースはほぼない
  • ジョブ型雇用が進めば、昇格試験は淘汰されていく
  • 昇格試験には、自分の中で目安を決めて臨もう
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