退職をどう切り出せばよいのか、確認したい方におススメの記事です!
結論:退職交渉は最初が肝心。最初の切り出しに全てかかっているといっても過言ではない
内定を得て、退職の報告を在籍中の会社に行うのが退職交渉です。転職活動自体は、求人に応募を開始してから、内定を得て承諾するまで、で終了します。
ひとまず一安心ですが、そのあとに待ち受ける退職交渉は、転職活動と同じくらい重要です。
というのも、転職エージェント経由で内定を得た場合、転職活動以上に退職交渉のアドバイスを詳細に受けると思います。入社して初めて報酬が発生するので当然といえばそうですが、やはりそれだけ退職交渉の時点でスムーズに進まないケースが多い、ということでしょう。
転職活動であれほど苦労したのだから、退職交渉でつまづきたくない、という気持ちは誰しも持っていると思います。
私自身の体験も踏まえて、どのように退職交渉を進めていくのが良いのか、おススメの方法を紹介していきます。
それでは見ていきましょう!
退職交渉が難航するとどうなるのか
まず、退職交渉がうまくいかないと、発生する状況は大きく二つ考えられます。
- 退職することを諭されて、内定辞退して現職の会社で働き続ける
- 退職することを受諾されず、退職日が近づいても手続きが進められない。結果、入社日の変更を余儀なくされる
私自身は上記の1,2どちらのケースも発生したことはありませんが、元同僚や知り合いで、内定を得て退職交渉をした結果、結局転職せずに在籍中の会社に残った、という状況は2,3回聞いたことがあります。
しかし、いずれの場合も、1年~3年後に転職していきました。残留するという決断が正しいかどうかは誰にも分かりませんが、そう単純なことではないということでしょう。
また、転職先の会社と調整して決めていた入社日に、予定通り入社することが難しくなった、ということであれば、入社後の評価はいきなり下がることになってしまいます。別の記事でも紹介しますが、入社後の第一印象というのは、その後もずっと引きずるものです。
退職交渉で難航するということは、在籍中の会社、転職先の会社のどちらにとっても、悪い影響しかありません。
退職報告の進め方
まずは退職日を明確にすることからスタート
入社日を調整し、そこから逆算して退職日をまず決めます。
退職日に関しては、在籍中の会社と調整する必要はありません。なぜなら、退職日がブレていると、そこから「退職するのはもう少し先にしてほしい」などと、切り崩される可能性があるからです。
まずは、退職日を自分の中で明確にしましょう。転職エージェント経由での転職であれば、エージェントにもしっかり相談するのが良いです。
転職先の企業からすると、入社日が重要であり、退職日がいつになるのかは、さほど気にされません。そのため、転職者が自分でしっかり「いつ退職するのか」を決断することが重要です。
そして退職日を決めたら、すぐ在籍中の会社に報告しましょう。早ければ早いほうが良いです。
というのも、退職する旨を伝えてから、実際に退職するまでの期間に余裕があるほうが、退職交渉はスムーズに進むためです。在籍中の会社からすると、欠員補充のための求人を早い段階で出せますし、引継ぎの期間に余裕があれば、退職されてから業務の進め方がわからなくて困った、という事態を防ぐ可能性が大きくなります。
退職という不測の事態に対して、相手側にも多少の準備期間を与えてあげるのがポイントです。
退職の相談は、社内の誰にもしない
「社内で退職することを最初に報告するのは、直属の上司に対して行う」
退職交渉をスムーズに行うための鉄則と言ってよいです。
「退職しようと思っている」「新しい転職先の会社が決まった」等と、会社の同僚に相談ベースで伝えることは、ありがちなことかもしれません。
そして、ここだけの話にしておいてほしいとお願いしても、その約束は保証されないと考えてよいでしょう。退職してほしくない、と考えている同僚からすると、会社に伝えることで退職することを防いでもらえるかもしれないためです。あるいは、残念ながら嫉妬の感情でバラされる可能性もあります。
ただ、直属の上司からすると、部下が「辞めそうだ」「転職する」という情報が、周囲から聞こえてくることほど面白くないことはありません。
退職交渉が感情的な気持ちで進められてしまうと、難航することは目に見えています。
社内で退職の報告を行うのは、必ず直属の上司からにしましょう。
同僚からすると「何の相談もなかった。冷たいやつだ」と思われるかもしれませんが、相談する時点で、本当は退職したくない、引き止めてほしいという気持ちが無意識にあると思います。本当に転職する気持ちがあり、前に進めたいのであれば、社内の誰にも相談する必要はありません。
私の場合、社内の誰にも相談しなくて転職しましたが、いまだに当時の同僚や上司と年イチで飲んだりしています。心配することはありません。
上司の呼び出しはメールがベター。ただしメールでは退職というワードは使わない
直属の上司に退職の報告を行う場合は、会議室で1対1で行いますので、上司に時間をとってもらうための調整をします。
口頭でも構いませんが、話しかけたときに上司がすぐ応じてくれるとは限りません。何より、話しかける雰囲気で周囲に気づかれてしまいますし、上司もいきなり声をかけられると、動揺するかもしれません。
メールであれば、時間の調整ができやすいので、なるべくメールで呼び出すようにしましょう。
メールの例文を載せておりますので、参考にしてください。
件名:本日少しお時間いただけますでしょうか
本文:お疲れ様です。
お話させていただきたいことがございますので、本日の就業時間後に少しお時間いただけますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。
呼び出しメールのポイントとしては、以下の通りです。
- 上司の予定が詰まっていない日に送る
- 退職する旨をメールには書かない。あくまで1対1で話すことを伝える
- 就業時間後と限定する必要はないが、そもそも業務外のことなので、就業時間後で大丈夫である旨を伝える。上司から「今からでも大丈夫」と返信がくれば、それに越したことはありません。
- 「相談」というワードも使わない。相談だと交渉の余地があると思われてしまう
このようなメールの内容であれば、よほど慣れていない方は除いて、上司も察します。
察せられると意味ないのでは、と思うかもしれませんが、上司も会議室でいきなり報告されても面食らうので、メールの文面から匂わせ、「辞めるのかな」と思わせてあげたほうが、上司も心の準備ができます。
こちら側は退職することは何か月も前から決めていることですが、
上司からするといきなりの話です。相手の立場になって対応することも、うまく進めるコツです。
上司への切り出しは、あくまで報告であり、相談ではないことを明確にする
会議室等で上司と1対1で話せる状態になったら、退職する旨を報告します。
具体的な切り出し方の例をお伝えしますので、参考にしてください。
お時間いただきましてありがとうございます。
大変恐れ入りますが、●月●日付けで退職させていただくことにいたしました。
長らくお世話になりまして、本当にありがとうございました。
つきましては、引継ぎの進め方についてご相談させてください。
最初の切り出しでのポイントは以下の通りです。いずれのポイントも、とても重要です。
- 退職することは決定事項であり、この場はその報告であることを表明する
- 「退職できればと考えております。」や「退職についてご相談させていただければと思います。」という表現は絶対NG。退職するかしないか「相談する」、というスタンスだと、引き止められると思われてしまいます。
- 退職日についてもはっきり伝えること。退職日は調整できるのだなと思われると、そこからズルズル引き延ばされます。2か月より前に伝えているのであれば、退職日についてとやかく言われる筋合いはありません。
- 引継ぎについては「相談する」というスタンス。これで一方的に申し出ているのではなく、会社側にも調整する余地を与えられるので、上司も折れやすくなります。
- ただし、全く聞く耳持ちませんよ、という硬直した態度もNGです。上司へはこれまでの感謝を示して、申し訳ないのですがという前置きで話します。
退職交渉において、最初の切り出しが最も重要です。ここで曖昧な態度だと、一気に上司のペースに持っていかれてしまいます。
「退職の意思は固いのだな」と思わせることが重要ですね。
退職理由で会社や上司への不満はぶつけない。なぜなら上司の評価に響くからです。
上司からは当然、「なぜ辞めるのか」と退職の理由を聞かれることになります。会社や上司への不平不満が積み重なって、その思いを吐露したくなる気持ちもわかりますが、
退職理由はポジティブな内容にしましょう。
というのも、会社や上司に不満があるため退職するということになると、上司の管理能力が問われることになります。上司としてはそれは絶対避けたい気持ちがあるはずです。
そうなると上司も感情的になるかもしれませんし、退職交渉が難航する恐れがあります。
退職交渉で不必要なエネルギーを費やす意味は皆無に等しいです。
大事なことは、スムーズに退職作業を進めて、次の会社に向けて準備をすることです。
まとめ
最後にまとめです。
- 退職交渉は、転職活動と同じくらい重要
- 退職交渉で難航すると、転職先の信用度がいきなり下がることになる
- 退職日は自分自身で決めるもの
- 本気で転職する意思があるのであれば、社内の誰にも転職の相談をしてはいけない。相談するということは引き止めてほしいと無意識に思っている
- 上司への呼び出しはメールがおススメ
- 退職の報告は最初が肝心。退職する意思が固いことを表明しよう
- 退職理由はポジティブな内容にしよう